評決のとき

2013年5月1日 映画
 ミシシッピー州の街カントンで10歳の黒人少女が二人の白人青年に暴行を受けるという事件が起った。娘の哀れな姿に心を傷めたその父カール・リーは、マシンガンを持って裁判所に出向き、その青年2人を射殺してしまう。新米弁護士として働くジェイクは有能な法学生エレンの助けを借りてカール・リーの弁護を務める事になるが……。

 根強く残る人種差別を扱った法廷もの……を期待して見るとガッカリする。
 この作品は法廷エンタメで、善玉と悪玉がクッキリ分かれてる。

 弁護側:善玉。理想に燃える優秀な弁護士。有能なリベラル派学生。父親として当然の感情を持った黒人。

 検察側:悪玉。出世のことしか頭にない検察。すぐ放火や襲撃をしちゃうKKK。

 一応黒人側にも、献金詐欺をする人権派団体や牧師、KKKを火炎瓶で焼き殺す暴徒なんかが出てくるけど、基本的には可哀想な被害者だと描かれてる。
 確かにこの父親は可哀想だけど、だからって無罪主張は無理があるだろう。判決に臨む被疑者2名を射殺したんだぞ。死刑か無罪かというように振り幅を大きくした方が映画として盛り上がるのは分かるけど流石にやりすぎ。ないわー。無罪はないわー。
 しかも弁護側は心神喪失を理由に無罪を主張してたのに、負けそうになったからって陪審員の感情に訴えて無罪ゲットですよ。可哀想だから無罪。
 この父親の行動は感情的には同意できるけど、それを法的に認めるのはどうなんだ。

 と、いったように裁判シーンには不満しかないけど、映画の出来自体は悪くないよ。王道エンタメだよ。題材が悪かっただけ。

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