マンディンゴ

2012年7月19日 映画
 奴隷牧場を運営するファルコンハースト農園の老当主のマクスウェルは息子ハモンドに運営を任せるが、嫁を娶らなければならなかった。マクスウェルは自分の目が黒い間に孫が見たいという。そしてハモンドは見合いをして少佐の娘ブランチとの結婚を承諾するが、旅先で出会った黒人娘エレンに一目惚れをしてしまった。さらに嫁になったブランチとの初夜でブランチが処女でないことのショックもあいまり、間違った結婚を呪ったハモンドは黒人娘エレンとの浮気に溺れる。その結果とうとうエレンは妊娠してしまう・・・。

 1975年に製作されたアメリカの奴隷制度時代を描いた映画。当時は大ヒットながらボロクソに言われてたみたいですね。それが最近DVDとして発売されました。
 まずこのジャケットに目を惹かれますよね。黒人の子供のお腹に白人のおっさんが足を乗せて座ってる。これは、持病のリューマチを治すのには自分の足を動物のお腹に乗せておくと病気が動物に移るという迷信を信じたおっさんが、奴隷の子供に足を乗せているというシーン。
 こんな感じで酷い差別表現がバンバン飛び交うから今まで発売しにくかったんでしょうね。

 実際の奴隷がどうだったかは知らないけど、とりあえずこの映画の中の奴隷の扱いは目も当てられないほど酷い。そして白人は全員頭がおかしく描かれてる。
 そんな中、主人公のハモンドは奴隷にも優しく、奴隷もハモンドを慕うようになる。
 処女じゃなかった妻にはつらく当たるものの、奴隷に対しては皆が首を傾げる程優しい。最初からずっとそういうハモンドの良い人っぷりが強調される。
 女のエレンとは愛情が、男のミードとは友情が生まれた、と思えた。このままハモンドは奴隷解放へ向かうのかな。
 そういう甘い期待を裏切る最後。
「ずっとあなたを尊敬してきた。あなただけは他の白人とは違うと思っていた。……でも、あなたもただの白人のようだ」
 
 これは中々ズシンと来る悲劇。

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