前年のケネディ大統領の暗殺や公民権運動の高まりなど激動と変革の真っ只中にある1964年。ニューヨークのブロンクスにあるカトリック学校でも、厳格な校長シスター・アロイシアスに対し、進歩的で生徒の人望も篤いフリン神父はより開かれた校風にしていくべきとの持論を展開していた。そんなある日、新人教師のシスター・ジェイムズは学校で唯一の黒人生徒ドナルドを呼び出したフリン神父の不可解な行動に不審を抱きシスター・アロイシアスに相談する。シスター・アロイシアスは2人が“不適切な関係”にあるのではと疑い、フリン神父を厳しく問い詰める。一方シスター・ジェイムズのほうはきっぱりと否定したフリン神父の説明に納得し、反対になおも頑迷にフリン神父への疑惑を深めていくシスター・アロイシアスの態度にこそ違和感を覚え始めるが…。

 思いっきりキリスト教の話ですが、テーマは「正義とは」「善とは」等といった非常に親しみやすいものとなっております。
 この校長は非人間的なまでに厳しく戒律を守り、流行のクリスマスソングに対して「異教の思想がある。放送禁止にすべき」なんてことを言っちゃう位アレな人なんです。そんな彼女が「神父が少年愛者かもしれない」なんて聞いたらどうするか。当然、何が何でも追い出そうとする。
 信仰を守るために神父を「疑い」、「嘘を付き」、みんなから好かれていた神父を追い出して嫌われる。
 誰からも受け入れられない正しさのために、自分からその正しさに背を向ける矛盾。
 彼女は自分の罪深さに涙を浮かべる。
「正しさを追求するために一歩踏み出せば、一歩神から遠ざかる」


 僕のセンサーにビビっと来たよ!
 あぁ、これは村正の正義編だ。この校長は綾弥一条だと。


 校長と神父が互いの信念をぶつけ合うシーンは大変良かったです。


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